『働くことの正義とは』~映画「七つの会議」を見てきました。~
池井戸潤さん原作の『七つの会議』を鑑賞してきました。
池井戸作品は「半沢直樹」からチェックするようになったという方も多いと思いますが、私もそんな中の一人です。
この映画の原作である小説は電子書籍で購入しており、映画化は願ったりかなったりでしたので思わず見に行ってしまいました。
以下、ネタバレしない範囲で感想を書いていきたいと思います。
1 あらすじ
物語の舞台は中堅電機メーカー、東京建電。鬼と呼ばれる営業部長・北川による会議が始まるところから物語は始まります。
「居眠り八角(はっかく)」と周りから呼ばれ馬鹿にされている万年係長・八角(やすみ)はこの会議中にも居眠りをして年下のエリート上司・坂戸から厳しい叱責を受けます。
特に頑張って売上を上げるわけでもなく、自分の足を引っ張るのに、なぜか北川にも何も言われない八角。それを快く思っていなかった坂戸は、次第に彼を叱りつけるようになります。そして、その叱責は日を増すごとにエスカレートしていきました。
坂戸はパワハラ委員会にかけられ、課長から降格されることになりました。一見、厳しすぎる判断のように見えましたが、その裏では様々な思惑がうごめいており…。
2 感想
まず、一言言いたいのは
絶対面白いからつべこべ言わずにとりあえず見て!
ということです。
まず、出演者がめちゃめちゃ豪華です!
ちょっとしたワンシーンにも豪華俳優さんが起用されており、えっこんなチョイ役でこの人だしていいの!?っていうシーンがチョコチョコあります。
さらに、もはや半沢ファミリーともいうべき俳優さんがズラリ。
香川照之さんをはじめ、及川光博さん、片岡愛之助さん、北大路欣也さんなどなど…。
半沢直樹が大好きな私からするとたまらないキャスティングでしたね。
香川照之さんの「顔芸」も健在です。
あの表現力はもはや芸術の域に達していると言えると思います。
そして、八角を演じる野村萬斎さんの仕上がりもこれまた言葉にできないほどよかった。
始めはひょうひょうとしていけすかないやつだなあという印象ですが、キメるところはきっちりキメるあの感じにはしびれましたね~。
次に伏線の回収がうまい。
シーンの中で何気なく出てきたアイテムがあっここにつながるんだと感心させられながら見ていました。
たとえば宮野社長が持っていたグローブなど…。
ラストにはどんでん返しもあるので最後まで目が離せないと思います。
私は原作を読んでいたので物語の大まかな内容は知っていましたが、原作とは少し違う物語になっていました。
小説では主人公がおらず、章ごとに主人公が変わるというおもしろい話の進み方でしたが、映画では八角、原島、女性社員の浜本を中心に物語が進んでいきます。
他にも小説では詳しく書かれていたストーリーが映画では省略・もしくは一部のみ触れるという形になっていましたので原作を忠実に再現した訳ではありません。
しかし、映画では時間の制約もありますからこれは仕方がないことかなあと思います。
小説は小説、映画は映画と割り切れるのであれば十分楽しめます。
まあ欲を言うと佐野室長あたりはもうちょっと掘り下げてくれても良かったのになあなんて思います。
3 最後に
本作品を通じて「会社とはなにか。」「組織で働くということはどういうことか。」ということについて改めて考えさせられました。
普段サラリーマンをされている方であればうんうんと共感できる点がたくさんあるのではないでしょうか。
ちなみに今回は普段映画を見に行かないという彼女を無理やり連れて見に行きましたが、鑑賞後「とてもおもしろかった。」と言ってくれたのでデートでも全然見に行けると思います(笑)
映画を見ておもしろいなあとおもったら小説もぜひ読んでみてください!
私もこれからもう一度読み直したいと思います。