令和元年度司法試験予備試験論文再現答案(民意実務・C評価)
今回は刑事実務です。
答案枚数は3枚・C評価でした。
ただ、刑事実務と合わせてなので実際の評価は不明です。
設問4の書き方はよくわからないというのが正直なところです。
それまでに要件事実で稼ぐしかないかなあ。
設問1
1 (1)AB間の保証契約に基づく保証債務履行請求権及び履行遅滞に基づく損害賠償請求権 (単純併合)
2 (2)被告は原告に対し、200万円及びこれに対する平成30年6月15日から支払済まで年10%の割合による金員を支払え
3(3)
①(あ)の債務を保証するとの合意をした。
② 合意
③ 書面
④ AはBに対し、本件貸付にかかる債権をXに譲り渡した旨通知した。
4 (4)Xは確定判決という債務名義(民事執行法22条1項1号)を有する。したがって、Yから回収するために弁護士Pは執行文付与の申立て(民事執行法26条)を経て甲土地の強制競売(民事執行法43条1項)の申立てをすべきである。
第2 設問2
(1) ①Qは譲渡禁止特約の抗弁(民法466条2項)を記載するべきである。②譲渡禁止特約の存在は債権譲渡の事実と事実として両立し、債権譲渡という法律効果の発生を妨げる事実であるから抗弁となる。
(2) Bは乙絵画の所有権を有していた。
(3)①本件絵画を引き渡した事実を主張することが必要である。②代物弁済契約(民法482条)は要物契約であるから、「他の給付をした」といえるためには目的物を引き渡すことが必要となる。よって、本件絵画を引き渡した事実を主張することが必要である。
第3 設問3
①QはYのかかる言い分を抗弁として主張すべきでない。
②保証契約の付従性から主たる債務者に生じた自由は保証人にも及ぶと解する。そして、YはBに対して通知があったことを認めている以上、かかる通知の効果はYにも及ぶことになり、Yに対して改めて通知をすることは不要となる。したがって、Yに債権譲渡の通知がないという事実は債権譲渡という法律効果の発生を妨げる事実ではないから抗弁を構成しない。よって、QはYのかかる言い分を抗弁として主張すべきでない。
第4 設問4
以下のとおり、Yが保証契約を締結した事実が認められる。
1 まず、BとYはいとこであるからBはYに対して保証人となることを心理的に頼みやすい立場にあったといえる。また、本件借用証書の存在からも保証契約締結の事実が強く推認される。
2 本件借用証書にはYの押印があるからYの意思に基づいて押印されたことが事実上推定され、かかる事実から本件借用書の成立の真正が推定される。(民事訴訟法228条4項)。YはY名下の印影がYの印章によることは認めるが、Bが盗用したと主張していることから、本件借用書への押印がYの意思に基づくことについて争っていると解することができる。
3 しかし、BがYの印章を盗用した事実は認められず、本件借用書への押印はYの意思に基づくものであると言える。
まず、Bが急にYの自宅に泊まりに来て、2日間滞在した際に印章を使用したと主張するが、大学卒業後行き来が少なくなった現在においては印章を見つけるのは容易ではないと言える。
また、Yは大事なものを寝室にあるタンスの一番上の引き出しにしまっており、Bはそれを知っていったから容易に見つけることができたと主張するが、実印を重視する我が国においては、実印をそんな容易に見つけることができるような場所にしまっておいたというのは考えられない。
したがって、BはYの印章を盗用することはできなかったといえるから本件借用書の印影はYの意思に基づいて押印されたといえる。
4 よって、本件借用証書の成立の真正が認められるから本件借用証書からYが保証契約を締結したことは明らかである。
以上
以下、再現時コメント
自己評価 C
保証契約の要件事実については辰巳も予想していたのにもっと丁寧にやるべきだった。訴訟物完全にミスった。
執行法が出る予想は的中したしそれ以外に目立ったミスはないように思う。
設問4がどこまで評価されるかが評価の分かれ目かなと思う。