IR法案は衆院内閣委でまだ採決されるべきではない
平成28年に可決されたIR推進法を受けて、審議されているIR実施法案がほぼ強制採決という形で採決されそうです。
IR法案とは何なのか、成立するとどうなるのか。まとめていきます。
1.IR法案とは
IR(=Integrated Resort)とはいわゆるカジノの併設を認める複合観光集客施設のことを指します。香港やラスベガスなんかがカジノの有名所ですかね。
2016年(平成28年)12月15日の衆議院本会議で「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(IR推進法)が成立し、これによりカジノ法制度化への道が開かれることになりました。
これを受けて、カジノを実際に設置することができるIR実施法案が今議論されているのです。
ちなみにカジノは諸外国では合法とされていますが、日本ではカジノ行為等は刑法第 185 条 の賭博罪等の構成要件に該当し、違法ということになりますので、カジノを設置・運営するには、競馬等の公営競技と同様、法律の制定により刑法第 35 条の正当行為にあたり違法ではないということにする必要があります。
2.IR法案成立によるメリット・デメリットって?
日本にカジノが設置できることになるメリットについては、
・国内外からの観光客の増加
・入場料などを租税として徴収することによって財政健全化をはかることができる。
など主に経済面でのメリットが多いようです。
反対にデメリットについては、
・組織的暴力団の介入やマネーロンダリングの可能性があること、
・カジノ依存症患者の発生や青少年の健全な発育へ悪影響があること
・設置地域の治安への悪影響があること
など公衆衛生上の問題が多いですね。
3.IR法案に賛成?反対?
NHKの世論調査で聞いたところ「賛成」が16%、「反対」が38%でした。
IR法案 「賛成」16%「反対」38% NHK世論調査 | NHKニュース
反対派の方が多いみたいですね。
私も反対の意見です。
カジノを設置したら、観光客の増加という側面は確かにあるかもしませんが、
カジノの規模は諸外国のものに比べたらどうしても小さいものになるのではないかと思っています。
そうなると、カジノで遊びたい人は外国のカジノに行っておっきく稼ぎたい。そう思うのが自然ではないでしょうか。
その結果、税としての収入もそんなに多くを見込めることはないと思います。
そして、デメリットの大きさも無視することはできません。
ギャンブルにはまって借金地獄。なんて話は結構聞く話です。わかっていてもやめられない、依存症というのは人生を破滅させるおそろしい病気だと思っています。
にもかかわらず、刑法上違法とされているものをわざわざ法律を作ってまで適法とする意味が私にはよく分かりません。
そもそも競馬・パチンコなどの公営ギャンブル自体反対派です。
ギャンブルは犯罪の温床になりかねない、だから 刑法でも禁止されているのではないでしょうか。
4.まとめ
以上、IR法案についてまとめてみました。
政府はデメリットに対する説明責任を果たさないまま、強行採決しようとしているようにしかみえません。
野党にはそのあたりの追及をしっかりしてもらいたいと思います。